神様をめぐる冒険 その61

神様をめぐる冒険 その61

あんなに毎週毎週お経を唱えさせられて、挙句現れたのが、聖母さんっていうのがすこし面白かったが、笑う元気もない。マリア様はどこかで見たイメージ通りに赤ん坊を抱いていた。その顔が徐々に変化していく。しばらくすると母親に変わった。もちろん母親の顔の記憶はない。こんな感じの顔ならいいなが現れたのだろうか。

赤ん坊の顔も自分に変わったような気がする。もちろん自分の顔もこんなだったらいいなだ。おっぱいを飲む。

おっぱいってこんな感じなのか。 

乳首ってこんな感じなのか。

チューチューと吸う。

自分ではもはや立ち上がる元気もないと思っていたが、違うところが立ち上がってきた。そういえば、本物のおっぱいをまだ吸ったことが無いじゃないか、俺。

見上げた空では女性の顔が母親から別人に徐々に変わってきているように思える。ますます、股間がタチアガッテきた。女が微笑みながら僕の右手を自らの秘部に誘導してくる。

施設では個人の自由なんてものはまるでなかったから、ものすごく興味はあったのに、まったくそういった経験もなかった。自由時間に見たアイドル歌手を妄想しながら、トイレの個室でオナニーするしかなかった。ただ何度か、先輩に連れられて個室ビデオには行ったことがある。最初に行ったときは緊張しすぎて何度こすっても結局射精しなかった。血が出るんじゃないか、せっかくためたお金がもったいないじゃないか。イチモツを握りしめながら、なぜか涙が出た。

陸軍学校に入学してからは、何度か先輩や同僚から風俗に誘われた。「いつまでも大事にしておくもんでもないだろ。最初はプロに教えてもらえ。」「みんなそんなもんだから」

そのたびに断った。「なんだお前、別に将来を誓い合った相手がいて、貞操を守ってるとか、そういうこと?」

全然そんなことはなかった。お金が惜しかったわけでも、いい恰好をしたかったわけでもない。大体、女の人の手も握ったこともないのだ、したくてしたくてしょうがないに決まってるじゃないか。

でも、怖かったのだ。緊張しすぎていかないんじゃないか。もし、笑われたらどうしよう。また泣いてしまったらどうしよう。

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