神様をめぐる冒険 その19

神様をめぐる冒険 その19

「それはまぁ、おもろい考え方やけどなぁ、言うても、ワシらサラリーマンやし。給料もろて研究させてもろてる訳やから。計算機でさえ、どうなるかわからん時にそんなマンガみたいなこと言われてもやな、なぁ?なんぼワシらがはみ出し軍団でもなぁ、そこはほれ。」

机の下から隠した紙を戻す。少し机の上を片付けながら、話を続けようとして、今度は冷めたコーヒーに手を伸ばす。

このままではいつまで経ってもウソかホントかわからない思い出話を延々聞かされそうだ。

「すいません。そもそも、うちの父は何度も言いますけど、高卒だし、Mには居たなんてきいてないんですが。」

「あぁ、その話しね。」「あれやな、君はお父さんと違って察しが悪いなぁ〜」

軽く舌打ち?しやがった?

「その目の前にある機械が君のお父さんが開発した『猫の箱を開ける機械』やがな。ほんまに何を聞いとったんかいなぁ〜」

目の前の電気製品らしきものに目をやる。これが?

「ほんで、その硬貨よう見てみ?それが証拠や。」

日本國

10,000円 

昭和65年

よく見れば見たことのない橋の絵

「なっ、偽物ちゃうで、8分違いの世界の硬貨。ホンモノやで。」

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