神様をめぐる冒険 その62

神様をめぐる冒険 その62

さっぱりと重い荷物を捨ててきた周りの同級生たちは、一様にどんなに自分がすごかったのか。武勇伝を語ってくる。「俺デビュー戦からすごかったんだぜ。相手の女の子なんて本気で気持ちヨガって大変だったよ、マジで」「次行ったら、彼女にしてください。なんて言われるかもよ」「アクロバットな体位をしてやった」「マットで1回、ベットじゃ2回もいってやったからコスパすごくない」

それらの同級生にも誘われたが、すべて断った。そのうちに「西東はアッチ系だから女に興味が無い」と噂になり、ついぞ誘われなくなった。逆にそっち系の先輩に興味をもたれて、危ない目に遭いそうになったこともあったが、何とかそれは回避することが出来た。しまいには単なる変わり者。性欲のかけらもない堅物の捨て子だ、と、陰では言われるようになった。

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女が股間に僕の右手を持っていく。ヌルヌルとした粘液が僕の人差し指に絡まる。お腹が減る。いや、もはや減ってるかどうかも分からない。のどが渇く。こちらも、もはや渇ききっているから空気が当たるだけで痛い。ような気がする。でも、西東ジュニアだけははちきれそうになっている。

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誰からも誘われなくなっても、こっそりと一人で個室ビデオには通った。単体の有名女優や風俗体験と言ったものは一切見ずに、素人ナンパものばかりを借りた。いつか、俺もこんな風に有名女優ほどかわいくはないが、そこそこのいやらしい女の人をナンパして、一夜限りの、もう二度と会うことのない女の人と。今はそのための準備期間だ。だから、これは勉強だ。いつか準備が整ったら。俺がもう大丈夫って思える男になったら。いつか準備が整ったら。

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女が仰向けの俺の上にマタガッテきた。ヌルヌルとした粘液が西東の陰毛に絡まりつく。いいのよ。と、女が言った。

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ドクドクと夢精した。意識はある。意識があるのに夢精ってのもおかしいが、今までのどんな射精よりも気持ちが良かった。

生きなきゃ。だって俺、モザイク越しでしか女のアソコみたことないんだぜ。こんなところで、夢精して、パンツがカピカピ発見される人生ってなんだよ。

こんなことしてる場合じゃない。タイムマシーンのようなあの機械を作った奴を殺しに行かないと。

準備は整ったはずだ。

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