神様をめぐる冒険 その17

神様をめぐる冒険 その17

「あの、すいません。量子が何か不思議なモノやってことは、高卒の僕にもなんとなくわかったのですが、それと今の。。。」

「なるほど、量子くんのおもろい話もっといっぱいあるんやけどなぁ。」

一気に喋ってノド渇いたわ、と言いながら、すっかり冷えたお茶を飲む。

「まぁ、ええか。あんまり詳しい話してもアレやし。で、まぁ、先に進むと。もうちょっとだけ。さっきの猫の話やけどな。」

先ほどの絵を横に避け、もう一枚のコピー用紙にまたペンで絵を書き始めた。先ほどと同じように箱・丸・ドクロ・猫の順に。ただ今度の猫は横たわっていた。頭に白い三角の布を巻いて。

「死んでる猫の絵って難しいな。」

「この2枚を重ねて、まぁちょっとちゃうかな?重なり合った世界としますわな。仮にやで。」

「まぁ、箱の絵は無視して、この2枚の絵の可能性が箱の中にあると。観察者のツル君が箱の蓋を開けたらその時点で2つの可能性のうち、どっちか一方に収縮されてしまう。っていうんが、量子学のうちの一つの考え方です。確率の話やな。波動関数の収縮。」

再び、重ねた猫の絵を元に戻す。机の上には2枚の猫の絵。

「で、量子学にもいろいろ考え方、解釈の違いがあって、箱の中には2つの世界があって、多重世界、パラレルワールドって聞いたことない?いよいよここら辺から本題に近づいてくるんやけど?」

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