神様をめぐる冒険　その51

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しかしながら、もちろん今まで通りで通用するほど簡単な道ではない。皆様は、特別に赤の他人の税金で生き延びさせてもらうことを常に自覚してもらわないといけない。

私はカッコよく言うとプロの経営者ですが、まぁ簡単に言うと雇われ社長です。雇われたからには全てのステークホルダーの幸せのために、全身全霊をかけて努めさせていただくわけですが、先ほどの「日本一地域に密着した会社」を皆様と一緒に目指すのとともに、もう一つ憶えておいてもらいたい、ベクトルを揃えておきたいことがあります。

会社とはまず何を最優先すべきか。皆様はどう考えますか。これもちょっと聞いていきましょう。それじゃあ、2列目のあなた。どう思いますか？

「社会に貢献できる。世の中の役に立つ」だと、思います。

なるほど、それもまぁ大事ですね。うん、大事だけど違う。最優先ではない。ちょっと質問の仕方が悪かったかな、あなたが考える会社のゴールとは何か？ですかね。じゃあ、そのお隣の女性はどう思われますか？そうです、はい。あなたです。

「価値の創造ですか、いかに付加価値を生み出すか？」

残念ながらそれでも無いかな。ありがとう。それでは誰か、私はこう思う。って人はいませんか？

誰も手を挙げない。未来の上司だから遠慮してのことか。逆に印象に残ったらどうしようと思ってのことか？

「だから倒産するんだよ。皆さん。わかる？」先ほどまでよりワントーン音量が上がる。

「会社の最も最優先すべきは利益を稼ぐ」

これしかありません。誰が何と言おうと。

売り上げが無ければもちろん利益は生まれません。しかし、例え売り上げが1兆円あろうと販管費がそれ以上かかっていれば利益は生まれません。利益が無ければ、皆さんに給料が払えません。つまり雇用が出来ません。利益が無ければ、税金も払えません。税金の払えない会社が先ほど言ってもらったように社会貢献できますか？価値の創出？それら全てはまずは我々の会社が利益を上げてからしか生まれないんですよ。

所詮雇われ社長が。この銭ゲバが。と思っている人がいるかもしれません。でもその考えを捨てないとまたこの会社は倒産しますよ。そして今度は誰も助けてくれませんよ。

我々の生き延びる唯一の道は原点に返って地域のお客様に愛される商売人になる事。商売人は経営者です。経営者はいかに多くの利益を残すか。それが最優先に考えることなんです。もちろん、暴利をむさぼれと言っているわけではありません。価格競争に巻き込まれずに、お客様から喜んで適正な利益をいただくにはどうすればいいか。知恵を使える、そんな商売人だけを今日はスカウトに来ました。

自分はサラリーマンだから、そこまで出来ないと少しでも思ったなら、その方は今回はご縁が無かったと。この後の話はお互い時間の無駄になりますからお帰りいただくようにお願いします。

この後、10分間の休憩を取ります。後ろの時計で14時30分になりましたら、再開しますのでよく考えていただいて、戻られる方は同じ席に、帰られる方は資料を出入り口の受付でお返しいただいてお帰りください。

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