神様をめぐる冒険　その25

「お客様どうかなされましたか？」

「今、Mの担当者の方に商品を確認してもらってます。」

「あれっ、おかしいですね？」「えっ。」

「お客様は今エスカレーターからまっすぐこちらに来られて、お座りになられたのをお見かけしましたので、お約束か何か、されていましたでしょうか？」

「いやいや、えっ？10分ほど前に機械をあなた（名札を確認する）、吉田さんに確認してもらったら、わからないっていうことで、Ｍの担当者の方を呼んでくれたじゃないですか？」

「その方が詳しく確認したいとバックルームに下がられて、その人、名札とか名前とかちゃんと聞いてないけど、確かＭのジャンパーを着た50代くらいの。。」

「申し訳ございません。私はお客様とははじめてお話させていただきますが。」

え～！

「えあっ、いやいや、さっきお話ししましたよね。」

「お客様、私はそちらのカウンターからお客様がいらっしゃったところをお見かけしておりましたが、いましがた来られて、まっすぐこちらの椅子に腰かけられましたよ。なにか、勘違いなされているのでは？」

「いやいや、いやいや、ちょっと待ってよ！さっき、しゃべったやないか！」

「お客様、あまり大きな声を出されると。」「少々お待ちください。」

インカムでどこかに連絡する。

「あっ、そうや、そこまで言うならビデオ。防犯のビデオあるでしょ、それで確認してもらえますか？」

「とにかく、あれが無いと帰れないんですよ。すごく大事なもんなんで。」

「とにかく、お願いします。さっきの人呼んで。いや、ほんま。頼みます！」

インカムで話し終わる。他の店員が一人こちらに向かってくるのが見える。

「わかりました。お客様。ビデオを確認してくればよろしいですね。Ｍのジャンパーを着た担当者ですね。」

「私の認識では本日Ｍの販売応援のものは一人も来ていないんですがね。お客様お座りになってしばらくお待ちいただけますか。」

店員Ａが到着する。何か狐につままれたみたいな気持ちだ。信用ならない。こちらにも一緒にビデオを確認させろ。と、下手に出て頼むが、防犯上のルールとのことで無理だと言われる。これ以上、あまりごねても、逆に良くないと思い、承諾した。

「すいません。では、くれぐれもよろしくお願いします。ほんと、お願いします。」

なんで、俺お辞儀して、お願いしてんだよ。

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