神様をめぐる冒険 その21

神様をめぐる冒険 その21

それほど待つこともなく、電車はホームにやってきた。やってきた電車は見慣れたカラーリングの見慣れた車両に見えた。いつもと同じように5区間を電車に揺られる。

乗り込んだ電車の中にはそれほど違和感はなかった。何か違いを探そうと車内を見回してみたが、 たまたま乗り込んだ車両の加減か?違いといえば、 中刷り広告に派手な見出しの週刊誌のものが無かったくらいか。それぞれビジネススクールや人材派遣など、どこかで見たことあるような広告ばかりだった。しかし、これもまた、たまたまそういった車両に遭遇しただけかもしれない。

これまた、いつもと同じくらいの時間で梅田には着いた。

まるでレベルの高い間違い探しをしているみたいやがな。子供の頃、割と得意だったのに、ぜんぜん答えが見つからへん。

電車賃が大幅に違った事実はあるものの、どこかで「単なる勘違い」であってほしいと思った。改札を出る。おっさんに指定された時間まではまだ少しあったので、駅に隣接する大型の家電量販店に寄ることにした。

直接の原因ではなかったかもしれないが、勤めていた電気屋が倒産した一つはこのお店にもある。いや、やっぱり、自滅だな。変化対応に付いていけなかったっていう。後から考えると、時代遅れのビジネスモデルだったのだ。きっと。

「いやぁ~、いつものようににぎわってるなぁ~」むりやり浮かれた気分の独り言のように頭の中で想像してみた。

地下一階の連絡口からぶらぶらと店内を歩く。見たことがあるメーカーの見たことがあるような電気製品が並ぶ。店員さんの制服も見慣れたそれだ。ただやはり、価格は思った価格のどれも倍ぐらいした。おっさんの大体のレートは確かなんだろう。では、電車賃だけが大きく差異があったのか?それには何か理由があるのだろうか?

おっさんには「もし自分がどっちの時代にいるか分からなくなった時の簡単な見分け方」を出発前に教えてもらった。一つはモノの値段。そしてもう一つは、みんなの使っているパソコンのメーカーだそうだ。元の世界はみんなWindows のOSが搭載されたパソコンを使っているが、「8分違いの世界」ではみんなマッキントッシュを使っているらしい。うちの電気屋では一度だけ廉価版を販売したが、全く売れずにすぐ撤退したアレだ。

確かめるためにエスカレーターに乗る。

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