神様をめぐる冒険　その53

2019.12.20
ストーリー

再び、新社長の話が始まる。彼は会場を一度ゆっくりと見渡し、こう言った。

「それでは時間になりましたので、続けたいと思います。ここに今残ってくれている皆さんにはこれから大変な試練の道が待っていると思います。が、しかし、皆さんはそれを一緒に乗り越えて行ってくれる同志であり、ひとり一人が優れた商売人になろうと誓ってくれた経営者仲間だということでよろしいでしょうか？」

拍手が起こる。もう一度、会場を見渡す。ゆっくりと。

「どうもありがとうございます。これだけ多くの同志が参加してくれることになって私はとてもうれしく思います。私は一人じゃない。誰も残ってくれなかったらどうしようと思ってました。ありがとう。そして皆さんも一人じゃない、こんなに多くの仲間がいる。この一か月間はみなさん一人で厳しかったでしょう、寂しかったでしょう。でも今日からは再び仲間がいる。」

拍手が起こる。

「どうもありがとう。ただ何度も言ってますが、我々の行く道は非常に厳しいことには変わりありません。しかも、すぐに結果を求められます。すぐにです。」「我々に余計な時間は一秒たりとも残されていません。考える時間はない。走りながら考える。行動しながら修正する。今までの考えは全て捨ててください。考える時間はない。」

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あ～、よく考えろ。

人生は2択の連続だ。

半ば強制的にこの場に参加させられたのは運命かも知れない。なんて、考えてこの場の雰囲気に流されるな。

それじゃ、今までの人生と同じだ。

しなければならない。を捨てろ。

とりあえず。も捨てろ。

周りの人がどうとか。も捨てろ。

自分がどうしたいか。だけを考えろ。

サガワのおっさんが言うとおり、全ては自己責任だ。

自分の選択を信じろ。

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