神様をめぐる冒険 その32
- 2019.11.28
- ストーリー
新チームになってから、自分のチームが主催する大会までは何試合かあったが、結局一度も勝てなかった。相変わらず、僕はコントロールがすこぶる悪く、フォアボールでランナーをためては、「押し出し」だの、「暴投」だの、弱気に球を置きに行って(ストライクを取りに行って)「痛打される」だのを繰り返した。いつも同じ、いわゆる独り相撲で負けていた。それでも、チームメイトも監督・コーチも球を置きに行って打たれた時以外は特に何も言わなかった。そのうち、化けるだろうくらいによく思ってくれていたのかもしれない。
そうはいっても、やはり主催の大会となると、パンフレットを作るのに寄付を募ったり、応援に来てもらう人数を増やしたり、父兄の協力など大会が近付くにつれプレッシャーがどんどん高まった。
どうすれば、球速を落とさずにコントロールが良くなるか?相変わらず、「ひたすら投げ込む」「ひたすら走りこむ」以外の答えの出ないまま、大会を迎えようとしていた。
成長期の少年野球なので変化球は禁止で、ひたすらストレートを投げるだけだから、バッテリー間のサインなんてものもなかった。大雑把と言えば大雑把だ。ド真ん中めがけて力いっぱい投げるだけ。実はこれがダメなのはわかっていたのだが、一生懸命やっていれば、そのうち劇的に良くなるはずだと、思うようにしていた。
でもそれもそろそろ限界、タイムリミットだ。
仕方が無く、親に頼んでメガネ屋に行くことにした。
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