2019年11月

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神様をめぐる冒険 その29

  • 2019.11.25

第3章 「速いボールを投げられる。」「打球を遠くに飛ばせる。」この二つは努力だけでは手に入らない才能らしい。野球の話だ。 父親が野球好きだったおかげで、物心ついた頃から、よくテレビではプロ野球中継を見ていた。しかしながら、近眼なうえに、足が速いわけでもなく、運動神経もいまいちだったので、近所の同級生 […]

神様をめぐる冒険 その28

  • 2019.11.24

「運転手さん?1万円硬貨って使えますか?」 運転手はバックミラー越しにちらりと視線を向けて言った。「そうですね。」当たり前のことを聞くんじゃない。みたいな感じで。「たぶん足りると思いますよ。」「うちはクレジットカードも使えますんで、あれでしたらおっしゃってください。」 使えるならね。と、心の中で考え […]

神様をめぐる冒険 その27

  • 2019.11.23

どうする?どうする?どうする? 「はい、はい、ツルちゃん。どうする~。どないしょ~時間無いんちゃうか~」むかつく!このおっさん! 電話を切る。 バックルームからAが出てきた。どこかに電話している。インカムでは無く。こちらに近づいてくる。一歩、また一歩。表情は無い。まるでお面をかぶっているかのような顔 […]

神様をめぐる冒険 その26

  • 2019.11.22

「くれぐれもお願いします。」 吉田とAは小声で何か言いながら、2人でバックルームに入っていった。 どうしよう。どうしよ。いや、まじで。ほんまか?いやいや、単なる向こうの勘違いか。確かに名前を確認してなかったのは失敗だが、T次長だろ、確かに。もし違ったって、ちゃんとMのジャンパー着てたし、いや、でもこ […]

神様をめぐる冒険 その25

  • 2019.11.21

「お客様どうかなされましたか?」 「今、Mの担当者の方に商品を確認してもらってます。」 「あれっ、おかしいですね?」「えっ。」 「お客様は今エスカレーターからまっすぐこちらに来られて、お座りになられたのをお見かけしましたので、お約束か何か、されていましたでしょうか?」 「いやいや、えっ?10分ほど前 […]

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